ADKマーケティング・ソリューションズ(以下「ADK MS」)は、2008年より関東・関西地区の男女15~79歳・10000名以上を対象に、オリジナル調査「ADK生活者総合調査」を毎年行っている。この調査ではライフスタイル・消費行動・メディア接触などの多面的視点から生活者の実態を捉えることが可能だ。今回は「ADK生活者総合調査2022」より『テレビ画面の使われ方』に関するレポートを発表した。
 
同調査は2022年5月17日より6月6日の期間に行われ、対象エリアは、関東1都6県ならびに関西2府4県とし、15~79歳の男女(中学生は除く)1万6196名にインターネット調査を実施した。なお、コネクテッドTV(インターネットに接続されたテレビデバイス)で、さまざまなコンテンツ配信サービス(以下「サービス」)を楽しむユーザーが増えていることを受け、2022年度からテレビ画面の使われ方に関する設問を追加している。

今回、テレビ画面におけるサービスの利用・視聴のされ方(地上波テレビ放送、BS・CS・CATV放送、インターネット動画)を分析した結果、テレビ画面におけるYouTube利用がBS・CS・CATV放送の視聴を上回り、地上波テレビ放送をほとんど視聴しない層でも、テレビ画面でのYouTube利用率は30%を超えることが分かった。

調査のまとめ

  • テレビのインターネット接続率は、約半数に到達し、テレビでの「インターネット配信のみ」利用者も全体の約5%存在。
  • テレビ画面上で利用されるサービスのトップは地上波テレビ放送となり、YouTubeがそれに続き、BS・CS・CATV放送を上回る。
  • 地上波テレビ放送をほとんど視聴しない層でも、テレビ画面上でのYouTube利用率は30%を超える。

調査の詳細

■ テレビのインターネット接続率は、約半数に到達。テレビでの「インターネット配信のみ」利用者も全体の約5%存在。
家庭のテレビやテレビ接続機器にインターネットをつないでいるかと聞いたところ、全体の約半数である45.5%が接続していると回答した。
また、テレビ画面上で週1日以上視聴・利用しているサービスについて聞いたところ、全体では「放送のみ」47.7%、「放送・インターネット配信両方」40.1%、「インターネット配信のみ」5.4%で、「週1日以上の視聴・利用なし」は6.6%であった。

年代別では、34歳以下の約10%(15~19歳9.5%、20~34歳11.5%)がインターネット配信のみ利用しており、そもそも”週1日以上テレビを利用していない”という人も約10%(15~19歳12.0%、20~34歳10.8%)おり、若年層のテレビ離れがうかがえる結果となった。
<概要>
• 週1日以上の視聴・利用なし:いずれのサービスもテレビ画面上での週1日以上利用なし(テレビ利用全くなしを含む)
• その他(ゲーム・DVDなど)のみ:放送及びインターネット配信の利用がなく、ゲーム(PlayStation、Nintendo Switchなど)、DVD・ブルーレイソフト(レンタルを含む)の視聴、インターネット配信以外のウェブサイト閲覧のみ利用
• インターネット配信:YouTube、TVer、Netflix、Hulu、Amazonプライム・ビデオ、ABEMA、GYAO!、ニコニコ動画、上記以外のインターネット動画配信サービス、音楽配信サービス(Spotify、Apple Music、LINE MUSICなど)
• 放送:地上波テレビ放送(リアルタイム視聴・録画再生)及びBS・CS・CATV放送(リアルタイム視聴・録画再生)

■ テレビ画面上で利用されるサービスのトップは地上波テレビ放送。YouTubeがそれに続き、BS・CS・CATV放送を上回る。
テレビ画面で週1回以上利用しているサービスについて聞いたところ、最も利用率が高かったのは地上波テレビ放送(リアルタイム視聴・録画再生)の視聴で、87.2%となった。続いて、YouTubeが34.5%でBS・CS・CATV放送(リアルタイム視聴・録画再生)の33.0%を超え、Amazonプライム・ビデオやTVerがそれに追随する結果となった。
■ 地上波をほとんど視聴しない層でも、テレビ画面上でのYouTube利用率は30%を超える。
1日あたりの地上波テレビ放送(リアルタイム視聴)の視聴時間について聞いたところ、最も多い回答は「2時間~4時間」24.2%、続いて「1~2時間」24.1%となった。一方、地上波テレビ放送をほとんど視聴しない「30分未満」「週1日以上視聴なし」の層も合計で21.9%存在していることが分かる。
テレビ画面上で利用しているサービスの回答を、地上波テレビ放送の視聴時間別に見ると、視聴時間「30分未満」、「週1日以上視聴なし」の層のうち30%以上が、テレビ画面において週1回以上YouTubeを利用していることが分かった。地上波テレビの視聴時間が短く、テレビCMでの訴求が難しい層に対しても、コネクテッドTV広告を使うことでリーチの獲得が期待できると考えられる。