Vol.19 コロナ禍で変化した転職市場。ニューノーマルで求められる価値創造力のある人材 キャリアアップナビ
キャリアアップナビでは、マーケティングやクリエイティブ職のキャリアアップについて毎月テーマをピックアップして、キャリアコンサルタントが解説していきます。今回は、コロナ禍の転職市場について。良い転職は、良質な情報を入手することから始まります。「こんなはずではなかったのに…」とならないための、転職情報をお届けします!
──コロナ禍において求人状況に変化はありますか?
マスメディアンの求人数は、緊急事態宣言以降7月中旬まで減少が続きましたが、9月初旬から徐々に増加傾向に転じました。10月末時点では、コロナ禍前の昨年同月対比で8割ほどの求人数まで戻っています。
2020年8月の正社員有効求人倍率は0.78倍(厚生労働省調査『一般職業紹介について』)と、売り手市場は終結したのではとの見方もありますが、決して企業は、採用の手を止めているわけではありません。むしろ「withコロナ」という新しい時代を生きぬくために、真に必要な人材を採用する動きが高まってきています。
そのなかで特徴的だったのが、既存サービスを変革する手段として、大手商社からクリエイティブディレクターの求人が発生し、短期間で採用が決まったケースです。変革期だからこそ、今まで社内に存在しなかった職種の採用に踏み切っている企業も多いのではないでしょうか。
──具体的にどのような職種で求人が発生しているのでしょうか?
リアルでのコミュニケーションが制限されたことで、営業手法やマーケティング手法は劇的に変化しました。そこで、大きく関心が高まったのはDX(デジタルトランスフォーメーション)の分野で活躍できる人材です。ビジネス変革の手段として以前から推奨されてきたDXですが、デジタルを駆使しなければ企業活動ができない状況になったことで、その取り組みは急激に加速しました。
なかでも当社に対しては、「マーケティング領域のDX人材」を採用したいという相談が多く寄せられています。デジタルを活用した新しいビジネスモデルを開発する事業開発人材や、デジタルマーケティング人材、Webクリエイターなどの採用においては、むしろ売り手市場の勢いが増しているのです。
また広報職や営業職、そしてオウンドメディアの運用を強化する企業も増加傾向にあることから、Web編集者やコピーライターの需要も一定数存在しています。さらに、DX推進を追い風に成長しているのがクラウドサービスを開発しているSaaS企業です。多くのSaaS企業が資金調達に成功し、採用を積極化している印象があります。
──求職者に変化はありましたか?
一般的には在宅ワークを希望して転職する方が増えているようですが、マーケティング・クリエイティブ業界では業務の性質上、比較的スムーズに在宅ワークを取り入れた企業が多いです。そのような状況下で、「インプット機会が減少し、スキルアップが難しくなった」という声があります。当社では、柔軟な働き方を取り入れながらも、もっと自己成長できる環境に身を置きたいという理由で転職の相談に来られる方が多く見られます。リモートワークでもスキルアップできる体制が整っているかどうかが、転職先を選ぶ上でのポイントになりそうです。
また、以前は転職先の条件として「仕事内容・やりがい」が最も重視されていましたが、それに加えて「会社の業績や将来性」「雇用条件」を意識する方々が増えました。
ただ、必ずしも大手企業が人気というわけではありません。企業ブランドではなく、業界全体の将来性や、給与待遇など、今後の先行きを総合的に判断して転職先を決めているように思います。
雇用形態では、契約社員への不安が強まっています。正社員登用を見越した契約社員の求人も多くありますが、経済状況の悪化が懸念される中で、本当に正社員登用されるのだろうかと危惧されているようです。
──どのような人が転職に成功しているのでしょうか?
自走できる実力を持った即戦力人材です。経済が不安定な状況下では、スキルがあり、生産性の向上が目に見えて期待できる方が採用されやすい傾向にあります。一方、経験1年未満のポテンシャル人材の採用は減少しています。現職で「このようなスキル・経験を得た」という自信が持てるまでは、転職を控えた方が良いかもしれません。
リモートワークによって、仕事のプロセスや努力点が見えにくくなりました。これからは、より一層成果で評価される時代になっていくでしょう。また、ジョブ型雇用を取り入れる企業も増えています。一度自分を客観視して、強みとなるスキルはなんなのか考えてみてください。武器となるスキルを磨き、自らスキルアップしていく姿勢が大切だと思います。
──転職を考えている人は、いまなにをすればよいのでしょう?
転職を検討している方は、まず転職理由を明確にしてみましょう。そして、転職理由をかなえる条件はなんなのかを棚卸しした上で、それを満たす会社かどうかを吟味してください。
現在、1次面接ではオンライン面接を取り入れている企業がほとんどです。日頃からオンライン面談ツールに慣れておくと安心です。すべての選考プロセスがオンラインで完結している企業もありますが「入社を決める前に直接お会いしたい」という意図から、最終面接や条件面談は、コロナ対策を万全に整えて対面で実施するケースもあります。ミスマッチを防ぐためにも、できる限り一度は対面でお会いすることをおすすめします。
内定を得た際は、コロナ禍以降で想定される給与や賞与額、雇用形態、働き方、社内交流の方法など、入社後の環境をしっかり確認した上で、入社するかどうかを決めるとよいでしょう。新型コロナウイルスによって、企業の体制は日々変化し続けていますので特に注意してください。
──実際のところ、今は転職するべきタイミングなのでしょうか?
変化の激しい昨今、この会社に入社すれば絶対安泰という企業はもはや存在しないと思っています。コロナ禍において先行きが見えないリスクは少なからずありますから。しかし、今だからこそ市場に生まれる求人もあります。ピンチはチャンス。企業の命運を握っているのは人材です。特にニューノーマルな時代では、価値創造力のあるマーケティング・クリエイティブ人材がますます求められるはず。転職すべきかどうか、正解は人それぞれですが、自分なりのキャリアアップを目指してほしいと思います。
マスメディアンの求人数は、緊急事態宣言以降7月中旬まで減少が続きましたが、9月初旬から徐々に増加傾向に転じました。10月末時点では、コロナ禍前の昨年同月対比で8割ほどの求人数まで戻っています。
2020年8月の正社員有効求人倍率は0.78倍(厚生労働省調査『一般職業紹介について』)と、売り手市場は終結したのではとの見方もありますが、決して企業は、採用の手を止めているわけではありません。むしろ「withコロナ」という新しい時代を生きぬくために、真に必要な人材を採用する動きが高まってきています。
そのなかで特徴的だったのが、既存サービスを変革する手段として、大手商社からクリエイティブディレクターの求人が発生し、短期間で採用が決まったケースです。変革期だからこそ、今まで社内に存在しなかった職種の採用に踏み切っている企業も多いのではないでしょうか。
──具体的にどのような職種で求人が発生しているのでしょうか?
リアルでのコミュニケーションが制限されたことで、営業手法やマーケティング手法は劇的に変化しました。そこで、大きく関心が高まったのはDX(デジタルトランスフォーメーション)の分野で活躍できる人材です。ビジネス変革の手段として以前から推奨されてきたDXですが、デジタルを駆使しなければ企業活動ができない状況になったことで、その取り組みは急激に加速しました。
なかでも当社に対しては、「マーケティング領域のDX人材」を採用したいという相談が多く寄せられています。デジタルを活用した新しいビジネスモデルを開発する事業開発人材や、デジタルマーケティング人材、Webクリエイターなどの採用においては、むしろ売り手市場の勢いが増しているのです。
また広報職や営業職、そしてオウンドメディアの運用を強化する企業も増加傾向にあることから、Web編集者やコピーライターの需要も一定数存在しています。さらに、DX推進を追い風に成長しているのがクラウドサービスを開発しているSaaS企業です。多くのSaaS企業が資金調達に成功し、採用を積極化している印象があります。
──求職者に変化はありましたか?
一般的には在宅ワークを希望して転職する方が増えているようですが、マーケティング・クリエイティブ業界では業務の性質上、比較的スムーズに在宅ワークを取り入れた企業が多いです。そのような状況下で、「インプット機会が減少し、スキルアップが難しくなった」という声があります。当社では、柔軟な働き方を取り入れながらも、もっと自己成長できる環境に身を置きたいという理由で転職の相談に来られる方が多く見られます。リモートワークでもスキルアップできる体制が整っているかどうかが、転職先を選ぶ上でのポイントになりそうです。
また、以前は転職先の条件として「仕事内容・やりがい」が最も重視されていましたが、それに加えて「会社の業績や将来性」「雇用条件」を意識する方々が増えました。
ただ、必ずしも大手企業が人気というわけではありません。企業ブランドではなく、業界全体の将来性や、給与待遇など、今後の先行きを総合的に判断して転職先を決めているように思います。
雇用形態では、契約社員への不安が強まっています。正社員登用を見越した契約社員の求人も多くありますが、経済状況の悪化が懸念される中で、本当に正社員登用されるのだろうかと危惧されているようです。
──どのような人が転職に成功しているのでしょうか?
自走できる実力を持った即戦力人材です。経済が不安定な状況下では、スキルがあり、生産性の向上が目に見えて期待できる方が採用されやすい傾向にあります。一方、経験1年未満のポテンシャル人材の採用は減少しています。現職で「このようなスキル・経験を得た」という自信が持てるまでは、転職を控えた方が良いかもしれません。
リモートワークによって、仕事のプロセスや努力点が見えにくくなりました。これからは、より一層成果で評価される時代になっていくでしょう。また、ジョブ型雇用を取り入れる企業も増えています。一度自分を客観視して、強みとなるスキルはなんなのか考えてみてください。武器となるスキルを磨き、自らスキルアップしていく姿勢が大切だと思います。
──転職を考えている人は、いまなにをすればよいのでしょう?
転職を検討している方は、まず転職理由を明確にしてみましょう。そして、転職理由をかなえる条件はなんなのかを棚卸しした上で、それを満たす会社かどうかを吟味してください。
現在、1次面接ではオンライン面接を取り入れている企業がほとんどです。日頃からオンライン面談ツールに慣れておくと安心です。すべての選考プロセスがオンラインで完結している企業もありますが「入社を決める前に直接お会いしたい」という意図から、最終面接や条件面談は、コロナ対策を万全に整えて対面で実施するケースもあります。ミスマッチを防ぐためにも、できる限り一度は対面でお会いすることをおすすめします。
内定を得た際は、コロナ禍以降で想定される給与や賞与額、雇用形態、働き方、社内交流の方法など、入社後の環境をしっかり確認した上で、入社するかどうかを決めるとよいでしょう。新型コロナウイルスによって、企業の体制は日々変化し続けていますので特に注意してください。
──実際のところ、今は転職するべきタイミングなのでしょうか?
変化の激しい昨今、この会社に入社すれば絶対安泰という企業はもはや存在しないと思っています。コロナ禍において先行きが見えないリスクは少なからずありますから。しかし、今だからこそ市場に生まれる求人もあります。ピンチはチャンス。企業の命運を握っているのは人材です。特にニューノーマルな時代では、価値創造力のあるマーケティング・クリエイティブ人材がますます求められるはず。転職すべきかどうか、正解は人それぞれですが、自分なりのキャリアアップを目指してほしいと思います。