Vol.28 マーケターに必要なのは目の前の変化を楽しみ社会を前進させるアイデア キャリアアップナビ
キャリアアップナビでは、マーケティングやクリエイティブ職のキャリアアップについて、毎月テーマをピックアップして解説します。今回は、アクセンチュアのインタラクティブ本部にてデジタル・マーケティング・マネジャーを務める原田健司さんにこれまでのキャリアについて伺いました。良い転職は、良質な情報を入手することから始まります。「こんなはずではなかったのに…」とならないための、転職情報をお届けします!
──これまでのキャリアについて教えてください。
大学時代は株式投資サークルやデザイングループを立ち上げるなど、学外でも精力的に活動していました。Webサイトやポスターを制作する機会が多く、「思いを届ける」広告業界の仕事に興味を持つように。そこで宣伝会議のコピーライター養成講座も受講していました。
その後、博報堂のインターンシップに参加したことで、「人が資本であり、個性を大切にするコミュニケーション業界で働きたい」という思いが強くなり、2007年に同社へ新卒入社しました。
初配属は、関西支社の営業部。関西支社はワンフロアに全部署が集結しており、職域を超えた信頼関係が築かれていました。私自身も多くの社員と関わりながら、マスからデジタルまで、さまざまなクライアントや媒体に携わり、幅広い経験を積みました。4年半が経過した頃、東京本社に異動。引き続き、統合型マーケティングコミュニケーションを実践し、大手通信教育会社のキャンペーンなどを担当していました。
2013年には、社内スタートアップ設立も経験しました。もともと新規事業創出には興味がありました。それに加え、CD不況などを背景としたエンタメ業界への危機感について同世代のレコード会社の方々と話をした際に、広告やコミュニケーションの力でもっとエンタメを面白くできるのではないかと思ったのです。そこで社内のスタートアップ設立支援制度を利用し、オールブルーという会社を設立しました。日本のエンタメコンテンツの海外発信が主な事業で、私は役員出向という形で副社長に就任しました。
一方で、2016年に博報堂DYデジタル(現在はデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムに統合)が設立され、私も兼任でメディアプロデューサーとして参加。外部プラットフォームと共同での新規事業開発がミッションでした。2017年から専任となり、広告運用とビジネスプロデュースを行っていました。
デジタル領域では評価いただいていたのですが、統合コミュニケーションへの心残りが強く、一時期は独立も考えていました。そんなとき、オールブルー経営時にお世話になった先輩でアイ・エム・ジェイ(以下、IMJ)に在籍していた方から「体験を再発明する」というIMJのスローガンについて話を伺ったのです。2019年の当時、同社はすでにアクセンチュアグループの一員でした。かつてメディアが持っていた新しい価値観を発信する力を、これからはさまざまなチャネルを通じた体験が持つようになるという考えや、顧客体験をベースにビジネルゴールを逆算し、コミュニケーションを設計していく姿勢に深く共感し、IMJへの転職を決めました。
その後、2020年にアクセンチュア インタラクティブに転籍しましたが、入社当初から業務内容はほとんど変わっていません。社会的パーパスの策定や仮想空間に現実世界を再現する「デジタルツイン」を活用したコミュニケーション戦略立案など、世の中の潮流・動向を起点にエクスペリエンスプランニングを行うマーケティング職を担当しています。私はコンセプト設計やユーザーインサイト抽出などが得意領域のため、デザイナーチームと協力しながら新しいサービス・価値づくりを行うことが多いです。
他方、コンサルティング会社ならではの仕事もあります。例えば、通信会社から「どうすれば社内から最先端技術を活かした新規サービスのアイデアが生まれるか」というご相談を受けたことがあったのですが、その際は私たちが実践しているアイデア出しのワークショップをフォーマット化して納品しました。広告メディア枠、広告クリエイティブに対価をもらう広告会社とは異なるクリエイティビティの活かし方があると気づいた仕事でした。
──ターニングポイントはありますか?
自分に子どもが生まれたときでしょうか。未来を託す存在ができたことで、「息子が大人になったときにわくわくしながら生きられる未来であってほしい。そのために、社会がよりよくなるなにかを仕事を通じて残してあげたい」という思いが芽生えました。アクセンチュアでは共感してくれる仲間も多く、実現できています。 ──若手マーケターへのメッセージをお願いします。
コロナ禍の影響で、経済的なものではない価値、つまり家族との時間や自然の中で暮らすことといった新しい豊かさに光が当たるようになりました。変化が激しい現代、世の中の関心は社会課題の解決に向いていくと予想します。これからは、「商品に込められた思い」や「その商品は社会をどのようによくするか」について消費者が主体的に調べて買う時代、よりよい明日があるから消費する時代が来ると考えています。そのときにマーケターに求められるのは、変化を楽しみ、手法にとらわれずに社会を前進させるアイデアを生み出すことです。
大学時代は株式投資サークルやデザイングループを立ち上げるなど、学外でも精力的に活動していました。Webサイトやポスターを制作する機会が多く、「思いを届ける」広告業界の仕事に興味を持つように。そこで宣伝会議のコピーライター養成講座も受講していました。
その後、博報堂のインターンシップに参加したことで、「人が資本であり、個性を大切にするコミュニケーション業界で働きたい」という思いが強くなり、2007年に同社へ新卒入社しました。
初配属は、関西支社の営業部。関西支社はワンフロアに全部署が集結しており、職域を超えた信頼関係が築かれていました。私自身も多くの社員と関わりながら、マスからデジタルまで、さまざまなクライアントや媒体に携わり、幅広い経験を積みました。4年半が経過した頃、東京本社に異動。引き続き、統合型マーケティングコミュニケーションを実践し、大手通信教育会社のキャンペーンなどを担当していました。
2013年には、社内スタートアップ設立も経験しました。もともと新規事業創出には興味がありました。それに加え、CD不況などを背景としたエンタメ業界への危機感について同世代のレコード会社の方々と話をした際に、広告やコミュニケーションの力でもっとエンタメを面白くできるのではないかと思ったのです。そこで社内のスタートアップ設立支援制度を利用し、オールブルーという会社を設立しました。日本のエンタメコンテンツの海外発信が主な事業で、私は役員出向という形で副社長に就任しました。
一方で、2016年に博報堂DYデジタル(現在はデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムに統合)が設立され、私も兼任でメディアプロデューサーとして参加。外部プラットフォームと共同での新規事業開発がミッションでした。2017年から専任となり、広告運用とビジネスプロデュースを行っていました。
──現在の会社に転職した理由を教えてください。
デジタル領域では評価いただいていたのですが、統合コミュニケーションへの心残りが強く、一時期は独立も考えていました。そんなとき、オールブルー経営時にお世話になった先輩でアイ・エム・ジェイ(以下、IMJ)に在籍していた方から「体験を再発明する」というIMJのスローガンについて話を伺ったのです。2019年の当時、同社はすでにアクセンチュアグループの一員でした。かつてメディアが持っていた新しい価値観を発信する力を、これからはさまざまなチャネルを通じた体験が持つようになるという考えや、顧客体験をベースにビジネルゴールを逆算し、コミュニケーションを設計していく姿勢に深く共感し、IMJへの転職を決めました。
その後、2020年にアクセンチュア インタラクティブに転籍しましたが、入社当初から業務内容はほとんど変わっていません。社会的パーパスの策定や仮想空間に現実世界を再現する「デジタルツイン」を活用したコミュニケーション戦略立案など、世の中の潮流・動向を起点にエクスペリエンスプランニングを行うマーケティング職を担当しています。私はコンセプト設計やユーザーインサイト抽出などが得意領域のため、デザイナーチームと協力しながら新しいサービス・価値づくりを行うことが多いです。
他方、コンサルティング会社ならではの仕事もあります。例えば、通信会社から「どうすれば社内から最先端技術を活かした新規サービスのアイデアが生まれるか」というご相談を受けたことがあったのですが、その際は私たちが実践しているアイデア出しのワークショップをフォーマット化して納品しました。広告メディア枠、広告クリエイティブに対価をもらう広告会社とは異なるクリエイティビティの活かし方があると気づいた仕事でした。
──ターニングポイントはありますか?
自分に子どもが生まれたときでしょうか。未来を託す存在ができたことで、「息子が大人になったときにわくわくしながら生きられる未来であってほしい。そのために、社会がよりよくなるなにかを仕事を通じて残してあげたい」という思いが芽生えました。アクセンチュアでは共感してくれる仲間も多く、実現できています。 ──若手マーケターへのメッセージをお願いします。
コロナ禍の影響で、経済的なものではない価値、つまり家族との時間や自然の中で暮らすことといった新しい豊かさに光が当たるようになりました。変化が激しい現代、世の中の関心は社会課題の解決に向いていくと予想します。これからは、「商品に込められた思い」や「その商品は社会をどのようによくするか」について消費者が主体的に調べて買う時代、よりよい明日があるから消費する時代が来ると考えています。そのときにマーケターに求められるのは、変化を楽しみ、手法にとらわれずに社会を前進させるアイデアを生み出すことです。