Vol.32 「心底やりたいこと」ができる会社を選べば人生が楽しくなる キャリアアップナビ
キャリアアップナビでは、マーケティングやクリエイティブ職のキャリアアップについて、毎月テーマをピックアップして解説します。今回は、タイガー魔法瓶の広報宣伝チームでマネージャーを務める花井譲さんにこれまでのキャリアについて伺いました。良い転職は、良質な情報を入手することから始まります。「こんなはずではなかったのに…」とならないための、転職情報をお届けします!
──これまでのキャリアについて教えてください。
新卒ではソニーに入社しました。広告宣伝部を希望していましたが、配属は人事部。6年が経ったころ、ペットロボット「アイボ」の事業部から声がかかり、念願の宣伝担当に。以降、マーケティングや広告宣伝の仕事でキャリアを重ねてきました。
その後、コンシューマー向け電子機器の宣伝を担うソニーマーケティングの宣伝企画部に異動し、ウォークマンなどの広告宣伝を担当。マス広告から店頭カタログまで、担当製品のプロモーションに関わる人員・予算・制作物のすべてに責任を持つ仕事を経験しました。広告会社と連携し、トップクリエイターたちと働く日々はとても刺激的でした。
その後、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズに転籍。同社ではまず、プロモーション課を立ち上げました。「エクスペリア」の日本市場でのローンチ成功をきっかけに、グローバルのマーケティングに興味を抱くように。そこで希望を出し、2011年にスウェーデンにあるグローバルヘッドクォーターに異動しました。しかしエリクソンとの合弁解消に伴い、翌2012年には帰国することに……。しばらくはソニーモバイルコミュニケーションズで勤務を続けていましたが、ゲーム関連以外の主要製品はひと通り担当したため、ソニーでの仕事はやりきったと感じていました。
3年が経ったころ、ソニー時代からの知人である第一興商の取締役から声がかかり、2015年、同社に宣伝部の次長として転職。入社後はまず、「宣伝部」の「コミュニケーションデザイン部」への改称から始めました。「コストセンターではなく、利益を生み出す部署である」という社内への意識づけが目的です。
同社でのミッションは、カラオケの体験価値向上です。そのために、アーティストとのより深いコラボレーションを実現したいと考えました。そこで、従来はレコード会社と交渉していたものを、アーティストをマネジメントする芸能事務所と直接交渉できるよう地盤づくりに注力。その結果、ある大手事務所と年間キャンペーンが組め、大きな反響が得られました。
ここでも3年をひと区切りとし、2018年に知人の紹介でファンコミュニティアプリ運営を手がけるベンチャー企業であるTHECOOにCMOとして転職。3年ほど経つと、成果を実感するとともに、自分には事業会社が合っていると感じるように。そのタイミングで、ソニー時代の同僚から、「タイガー魔法瓶で広報宣伝チームのマネージャーを探している」と連絡がありました。そこでぜひやりたいと手を挙げ、同ポジションで入社しました。
広報宣伝チームの仕事は、消費者とのコミュニケーションの設計と実行です。いま私が注力しているのは、2023年に100周年を迎えるタイガー魔法瓶の、これからの100年に向けた情報発信。商品ではない軸でのブランディングができる体制づくりに取り組んでいます。
──ターニングポイントはありましたか?
海外赴任ですね。海外では日本でお付き合いしていた広告会社のような心強いパートナーがいません。すべての仕事を自ら動かす気概が身につきました。
また、グローバル視点を学べたことも大きな影響がありました。当時のソニーでは、日本の売り上げはグループのわずか10%にすぎません。日本で国内向けの仕事をしていると近視眼的になってしまうと気付きました。仕事だけでなく、人生全体においても視野が広がりました。
──キャリアにおける指針はありますか?
自分が心底やりたいと思える仕事をすることです。人生は仕事をしている時間がほとんどですから、仕事が楽しくないと人生も楽しくありません。人生を楽しくしたいなら、仕事を楽しくすればいいのです。
また、人との縁も大切にしています。私はほぼ毎回、知人の紹介で転職をしてきました。私のスキルや人柄を深く知ったうえでの採用になるので、入社後のギャップが小さくなると実感しています。
──若手マーケターへのメッセージをお願いします。
マーケターに求められる資質は、「好奇心」に尽きます。新しいもの好きで、ミーハーであること。好奇心があれば、仕事に必要な勉強も楽しめます。また、人に対する仕事ですので、人への興味も重要です。
これは人脈づくりにも共通します。キャリアを切り開くには、日々人との縁を大切に、人脈を築いていく努力が欠かせません。私はそうした努力は苦になりませんが、苦手意識がある人もいるかもしれません。しかし、注いだ努力以上のメリットは確かに得られます。まずは人に興味を持ち、先入観なくいろいろな人とコミュニケーションを取ってみると、新しい発見があるはずです。
新卒ではソニーに入社しました。広告宣伝部を希望していましたが、配属は人事部。6年が経ったころ、ペットロボット「アイボ」の事業部から声がかかり、念願の宣伝担当に。以降、マーケティングや広告宣伝の仕事でキャリアを重ねてきました。
その後、コンシューマー向け電子機器の宣伝を担うソニーマーケティングの宣伝企画部に異動し、ウォークマンなどの広告宣伝を担当。マス広告から店頭カタログまで、担当製品のプロモーションに関わる人員・予算・制作物のすべてに責任を持つ仕事を経験しました。広告会社と連携し、トップクリエイターたちと働く日々はとても刺激的でした。
その後、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズに転籍。同社ではまず、プロモーション課を立ち上げました。「エクスペリア」の日本市場でのローンチ成功をきっかけに、グローバルのマーケティングに興味を抱くように。そこで希望を出し、2011年にスウェーデンにあるグローバルヘッドクォーターに異動しました。しかしエリクソンとの合弁解消に伴い、翌2012年には帰国することに……。しばらくはソニーモバイルコミュニケーションズで勤務を続けていましたが、ゲーム関連以外の主要製品はひと通り担当したため、ソニーでの仕事はやりきったと感じていました。
次はより生活に身近なマス向けの商材を経験するため、あきんどスシローに宣伝部長として入社。リサーチやプランニングの専門部隊が必要だと感じ、マーケティング部を立ち上げ、その部長も兼任しました。
3年が経ったころ、ソニー時代からの知人である第一興商の取締役から声がかかり、2015年、同社に宣伝部の次長として転職。入社後はまず、「宣伝部」の「コミュニケーションデザイン部」への改称から始めました。「コストセンターではなく、利益を生み出す部署である」という社内への意識づけが目的です。
同社でのミッションは、カラオケの体験価値向上です。そのために、アーティストとのより深いコラボレーションを実現したいと考えました。そこで、従来はレコード会社と交渉していたものを、アーティストをマネジメントする芸能事務所と直接交渉できるよう地盤づくりに注力。その結果、ある大手事務所と年間キャンペーンが組め、大きな反響が得られました。
ここでも3年をひと区切りとし、2018年に知人の紹介でファンコミュニティアプリ運営を手がけるベンチャー企業であるTHECOOにCMOとして転職。3年ほど経つと、成果を実感するとともに、自分には事業会社が合っていると感じるように。そのタイミングで、ソニー時代の同僚から、「タイガー魔法瓶で広報宣伝チームのマネージャーを探している」と連絡がありました。そこでぜひやりたいと手を挙げ、同ポジションで入社しました。
広報宣伝チームの仕事は、消費者とのコミュニケーションの設計と実行です。いま私が注力しているのは、2023年に100周年を迎えるタイガー魔法瓶の、これからの100年に向けた情報発信。商品ではない軸でのブランディングができる体制づくりに取り組んでいます。
──ターニングポイントはありましたか?
海外赴任ですね。海外では日本でお付き合いしていた広告会社のような心強いパートナーがいません。すべての仕事を自ら動かす気概が身につきました。
また、グローバル視点を学べたことも大きな影響がありました。当時のソニーでは、日本の売り上げはグループのわずか10%にすぎません。日本で国内向けの仕事をしていると近視眼的になってしまうと気付きました。仕事だけでなく、人生全体においても視野が広がりました。
──キャリアにおける指針はありますか?
自分が心底やりたいと思える仕事をすることです。人生は仕事をしている時間がほとんどですから、仕事が楽しくないと人生も楽しくありません。人生を楽しくしたいなら、仕事を楽しくすればいいのです。
また、人との縁も大切にしています。私はほぼ毎回、知人の紹介で転職をしてきました。私のスキルや人柄を深く知ったうえでの採用になるので、入社後のギャップが小さくなると実感しています。
──若手マーケターへのメッセージをお願いします。
マーケターに求められる資質は、「好奇心」に尽きます。新しいもの好きで、ミーハーであること。好奇心があれば、仕事に必要な勉強も楽しめます。また、人に対する仕事ですので、人への興味も重要です。
これは人脈づくりにも共通します。キャリアを切り開くには、日々人との縁を大切に、人脈を築いていく努力が欠かせません。私はそうした努力は苦になりませんが、苦手意識がある人もいるかもしれません。しかし、注いだ努力以上のメリットは確かに得られます。まずは人に興味を持ち、先入観なくいろいろな人とコミュニケーションを取ってみると、新しい発見があるはずです。