ART FUN FAN Vol.5 クリエイションギャラリーG8「JAGDA新人賞展2023 石塚俊・藤田佳子・矢後直規」

ART FUN FANでは、広告・マーケティング・クリエイティブ業界で働く皆さまにアートの情報をお届けします。おすすめの企画展をピックアップして、美術ライターが独自の切り口で解説。「アートってなんだかよくわからない。」方から「興味があるからもっと知りたい!」方まで、誰でも楽しめるアートの魅力に触れていきましょう!
コラム第5回の取材では、デザイナーの登竜門とも言われるJAGDA新人賞展を見に、リクルートが運営するクリエイションギャラリーG8を訪れました。
お送りするのは、美術ライターのさつま瑠璃。“やさしい言葉でartをもっと楽しく身近に”をモットーに、展覧会を幅広く取材するフリーの記者です。高い評価を受けたデザイナーの作品、アート系記者の観点からレポートします。
コラム第5回の取材では、デザイナーの登竜門とも言われるJAGDA新人賞展を見に、リクルートが運営するクリエイションギャラリーG8を訪れました。
お送りするのは、美術ライターのさつま瑠璃。“やさしい言葉でartをもっと楽しく身近に”をモットーに、展覧会を幅広く取材するフリーの記者です。高い評価を受けたデザイナーの作品、アート系記者の観点からレポートします。
五度めまして! さつまです!

コラム連載もいよいよ5回目。今回は東京都・新橋にあるクリエイションギャラリーG8を訪れました。開催されているJAGDA新人賞展はデザイン界隈で知らない人はいないであろうデザインアワードです。
会場では受賞された石塚俊さん、藤田佳子さん、矢後直規さんの作品がそれぞれの個性を主張しながら、独特な混ざり合いを見せていました。いずれも日本のデザインの未来を託された名手たち。アート記者の視点から、そのレビューをお届けします!
JAGDA新人賞展とは? 2023の見どころもチェック!

クリエイションギャラリーG8 展示風景
そのJAGDAが選考する「JAGDA新人賞」は、今後の活躍が期待される39歳以下のデザイナーに贈られる賞です。これまでには国立新美術館で企画展が開かれた佐藤可士和さんのような、日本を代表する数多くのデザイナーが受賞しています。
2023年に受賞した3名はこれまでデザイナーとしてキャリアを重ねてこられた方々ばかりですが、今回初の受賞に至りました。「新人賞」とはいえ、仮に20歳からデザイナーとして活躍している39歳の人であれば、20年近いキャリアがあることでしょう。それでも多くのデザイナーがこの新人賞を目標の1つにしています。数年かけて受賞を目指す方も少なくありません。

クリエイションギャラリーG8 展示風景
JAGDA新人賞に輝いたデザイナーの作品をご紹介!
2023年は石塚俊さん、藤田佳子さん、矢後直規さんの3名がJAGDA新人賞に輝きました。その個性は見事にバラバラ! 会場ではその違いも楽しむことができます。ここからはお写真も交えながら、それぞれの特徴を見ていきましょう。
矢後直規さん|得意な絵で個性を発揮

矢後直規《HOPE》2022年
「自分らしいデザインとは何か?」と模索していったとき、矢後さんにとってはそれが絵だったのです。
また、矢後さんの作品のそばには手書きのキャプションが添えられています。これは会場に作品が展示された後、自ら書き足したものなのだとか。
例えば、《小江戸まめ屋》は震災を機に家業を継ぐため退職した、会社同期のために行った仕事です。自身が何を思ってアウトプットしたのか、書かずにはいられなかったエピソード。読めばその物語に寄り添えます。

矢後直規《小江戸まめ屋》2022年

矢後直規さんの作品展示風景
石塚俊さん|人が集う「場」づくりにこだわり

石塚俊さんの作品展示風景
人が集まる場——例えば、アートギャラリー、ライブハウス、ファッションビル——を表現するために手掛けてきた仕事の一部を見てみましょう。東京都現代美術館のポスターもあります。
石塚さんがデザインした、歌手・アーティストの星野源さんのライブグッズはあまりにも人気があり、デザイナー本人すら購入できないものもあるとか!

石塚俊さんの作品展示風景

石塚俊さんの作品展示風景

石塚俊《宴会》2021年
藤田佳子さん|空間に存在する立体のデザインが得意

藤田佳子《香林居》2021年
独特なアーチのディテールはかつての建物にあったもので、それを活かす形でデザインをつくっていったそうです。
加賀友禅や金箔といったステレオタイプな石川のイメージから離れつつ、九谷焼を使ったサインなどその土地らしさを演出する工夫もなされています。

藤田佳子《香林居 ブランドブック》2022年
空間全体を含めたデザインが得意なことを活かし、このJAGDA新人賞展では展示構成や空間デザインも担当されたそうです。

藤田佳子《サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場》2022年

藤田佳子《サントリー「脱炭素」新聞広告》2021年
藤田佳子《サントリー「水と生きる」新聞広告シリーズ》2019-2020年
藤田佳子《サントリー「水と生きる」新聞広告シリーズ》2019-2020年
まだある! 今回のJAGDA新人賞展はここがおもしろい

JAGDA新人賞展 会場内ショップ
今回はグッズが多く、先行販売のブックや作家オリジナルの図録もあります!

クリエイションギャラリーG8のショップで先行販売される書籍『太田莉菜の不在』
まさに、『Textile』というタイトルもテキストをつなぎ合わせて曲ができることを意味しているかのようですね。よく耳を傾けてみると、「これはテキスタイルです」というこの曲の象徴的なフレーズを聞き取れるかもしれません。
おわりに
JAGDA新人賞展は、新進のデザイナーにとって、“私はこういうデザイナーです”とお披露目する場として機能しています。開催は5月27日(土)まで。東京開催の終了後は、大阪・愛知を巡回予定です。
なお、クリエイションギャラリーG8は2023年8月で営業を終了することが発表されています。今後は東京駅のグラントウキョウサウスタワー1階に場所を移し、アートセンター「BUG」として新たな歩みを始めます。
現在、BUGに併設されているカフェが先行して営業中です。ほっと一息つけるカフェラテや、ヴィーガンの方にもおすすめの「アボカドペーストとファラフェルのオープンサンド」などお洒落なメニューも。駅近くのアクセス良好な立地も魅力的です。BUGのオープンは2023年9月を予定していますので、こちらもぜひチェックしてみましょう。

矢後直規《“A bird of useless elegance” 「美しさと無力さの鳥」》2023年
クリエイションギャラリーG8「JAGDA新人賞展20
http://rcc.recruit.co.jp/
・会期:2023年4月18日(火)~ 5月27日(土)
・開館時間:11:00~19:00(4月18日 (火)18:00、5月11日(木)は18:30まで)
・休館日:日曜、4月29日(土)~5月7日(日)
・住所:〒104-8001東京都中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F
・交通案内:JR・東京メトロ新橋駅より 徒歩 3 分JR 新橋駅銀座口、東京メトロ銀座線新橋駅 5 番口を出て、外堀通りを有楽町方面へ向かい、高速道路の高架をくぐった先、土橋の交差点右側にあるガラス張りのリクルートGINZA8ビル1Fです。
・入館料(税込):入場無料
※掲載日時点での情報です。詳細は、ギャラリーからの情報をご確認ください。