アドビは、8月20日に山形市内の会場にて、広報のためのデザインワークショップ「まちの広作室 in やまがた」を、山形市と共同開催した。
「まちの広作室」は、店舗運営者が日々行っている、チラシ、ポスター、メニュー表、SNS向け画像や動画制作などの広報制作物のデザイン業務を、アドビが提供するデザインツール「Adobe Express」を使うことで、簡単に作成できるようにサポートするプロジェクトである。これまでも、東京・下北沢商店街、福島県大熊町、鹿児島市、高松市、長崎市、大阪市の日本全国6カ所で開催し、さまざまな地域や店舗のクリエイティブにおける課題解決をサポートしてきた。

今回は山形市との連携の元、山形市内のラーメン店7店舗・10名を対象に、事前の調査からラーメン店の広報課題として、特に声の多かった「SNS画像」や「チラシ作成」などのデザインに関して、「Adobe Express」の画像生成AI機能も活用しながら、ワークショップに取り組んだ。

山形市のラーメン店の「多様性」を強みに

ワークショップに先立って、山形市商工観光部ブランド戦略課の高橋大課長は、「山形市は総務省の家計調査において、ラーメンの消費額が一昨年・昨年と2年連続で日本一。現時点での中間発表ではあるが、今年も好調です」とした上で、「山形市のラーメンは『多様性』が売りと考えている。ひとつの店舗に焦点を当ててPRするのがなかなか難しいが、今回のワークショップを通じて、それぞれのお店がそれぞれの魅力を発信できるようスキルアップし、それぞれのお店が輝くことによって、山形市のラーメン店の『多様性』を強みとしていってほしい。ワークショップで得た『気づき』を、今後の事業に活かしていただければと思う」と、挨拶があった。

また、主催を代表してアドビ広報部の吉原からは、「アドビがデザインの力で店舗や会社を経営されている皆様に、効果的な広報活動の支援をしたいという思いで2022年に『まちの広作室』がスタートした。これまで全国で開催をしており、今回の山形で7箇所目となる」と、まちの広作室の概要について説明を行った上で、「文字だけのコミュニケーションから、ビジュアルのコミュニケーションに変わることでお客様の目に届きやすくなる。今回のワークショップを通じて、皆さんのビジネスに役立ててほしい」と、ラーメン店を運営する参加者に激励の言葉を送った。
山形市 商工観光部 ブランド戦略課課長 高橋大さん
山形市 商工観光部 ブランド戦略課課長 高橋大さん

デザインテンプレートを使って、各店のクリエイティビティを発揮

講師 北沢直樹氏
講師 北沢直樹氏
今回のワークショップの講師を務めたのは、イラストレーター/キャラクターデザイナーの北沢直樹氏。

初めに、Adobe Expressの操作に関する説明からスタート。Adobe Expressではさまざまなデザインテンプレートが利用できるため、新たなラーメンメニューのお品書きなどの作成はもちろん、海外からの観光客向けにビーガンやハラール対応メニューをつくるなど、昨今求められる「食の多様性」への対応もデザインの力で簡単にできることを説明した。

Adobe Express内のデザインテンプレートを使って、イベントメニューのチラシを作成した参加者からは、「元々あるデザインテンプレートをカスタマイズするだけで、良いデザインがつくれることがすごい」と、デザインの楽しさ、簡便さを実感する声が上がった。

画像生成AIの活用にもチャレンジ

続いて、Adobe Express内で活用できる生成AI機能について、簡単な説明の後に、実際に参加者が生成AI機能の「生成塗りつぶし」や「テキストから画像生成」を体験した。特に「生成塗りつぶし」のオブジェクトを削除で、店舗外観に写り込んでしまった通行人を削除した際は、その生成クオリティの高さに会場から驚きの声が上がった。

参加者は自由な発想で、「丼の縁についたスープの汚れ」や、「机に写り込んでしまったおしぼり」を削除するなど、ラーメン店の広報活動において生成AIが活用できることを実感した。

アドビでは、今後もデザインワークショップ「まちの広作室」を通じて、日本全国の広報活動に関するデザイン業務に課題を抱えている店舗・企業とのワークショップなどを続けていく方針である。