この記事は前後編です:前編はこちら
「『創造するのはビジュアルだけではない』ユーザーの感情まで設計するブランド体験のつくり方」

ユーザー、採用候補者、株主、社員まで、みんなにブランド体験を届ける

──コーポレートブランドに紐づくあらゆるものに携わっているという、BXデザインチーム。社内向けのクリエイティブにも非常に力を入れていると伺いました。
そうなんです。先日、生成AIの活用アイデアを募る社内イベント「みんなのMirAI fest!」を開催しました。最近チームに加わったコピーライターと一緒に、コンセプトづくりやイベント全体のクリエイティブ制作に携わりました。
「みんなのMirAI fest!」タイトルロゴ
「みんなのMirAI fest!」タイトルロゴ
当初は「AIコンテスト」というタイトルで進行していたのですが、「コンテスト」という言葉では参加のハードルが高いのではないか、という課題がありました。そこで、社内に浸透している「Let’s make it!(共に創り、実現しよう!)」という共創の姿勢を活かし、みんながアイデアを出しやすい一体感のある場にすることに。

コピーライターと一緒にアイデアを練り、親しみやすさを感じてもらえるよう「フェス」というコンセプトを提案しました。このコンセプトを軸に、メインビジュアルとタイトルロゴを制作し、告知ポスターやオープニング動画、参加賞など、イベントを形づくるさまざまなクリエイティブに展開していきました。
高木さんが「みんなのMirAI fest!」のためにデザインした、ミラー紙とPP素材の二層ポスター。カラフルなタイポグラフィと動きのあるデザインで、多様なアイデアが集結する様子やAIの生成感を表現。また、ミラー紙は光の反射や角度により色が変わり、未来への新たな可能性を感じる仕上がりに
高木さんが「みんなのMirAI fest!」のためにデザインした、ミラー紙とPP素材の二層ポスター。カラフルなタイポグラフィと動きのあるデザインで、多様なアイデアが集結する様子やAIの生成感を表現。また、ミラー紙は光の反射や角度により色が変わり、未来への新たな可能性を感じる仕上がりに
「みんなのMirAI fest!」で配布された参加賞。(左)ステッカーは、参加者にインスピレーションを感じてもらうため、角度を変えると絵が動いて見える仕様(右)チョコレートは参加者にほっと一息ついてもらうためのアイテム
「みんなのMirAI fest!」で配布された参加賞。(左)ステッカーは、参加者にインスピレーションを感じてもらうため、角度を変えると絵が動いて見える仕様(右)チョコレートは参加者にほっと一息ついてもらうためのアイテム
私たちBXデザイナーは、ブランドらしさを社内外に浸透させるため、社員総会、株主や採用候補者に向けた統合報告書、オフィスの内装設計などを通じて、幅広いステークホルダーにブランドの世界観を届けています。社内向けの施策にも携わることで、社員一人ひとりがブランドらしさを体現できるようになり、社外にも一貫した世界観が広がっていくと考えています。

入社して特に驚いたのは、こうした社内イベントに対して「一緒にやりたい!」と自然に人が集まる企業カルチャー。「みんなのMirAI fest!」も、たくさんの有志メンバーが集まって実現しました。全社的に「みんなでつくっていく」という考え方が根付いているので、同じ価値観を持った仲間と一緒に成長していきたい人にとっては、ぴったりの環境だと思います。

──時にはユーザー、時には社員のために制作を行う、CIBX部(Corporate Identity推進室BXデザインチーム)のメンバーについても教えてください。
この部署には、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが集まっています。私と同じく広告制作会社出身のメンバーや、ブランディングを経験してきたメンバー、そして最近はWebなどのデジタル領域に携わっていたメンバーやコピーライターも加わりました。
ひとりでデザインを担当していた経験もあり、周りにすぐに相談できる仲間がいるのはとても嬉しく、心強いです。違った視点やスキルを持つメンバーと一緒に共創することで、チームとしてチャレンジできることの幅が広がりました。また、アイデアの発想方法や課題へのアプローチの仕方など、メンバーから影響を受けることが多く、自分自身の成長にも繋がっています。

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未来を想像して、進化し続けるブランドやサービスに日々向き合う

──企業noteでお見かけしましたが、高木さんはCDOの伊藤セルジオ大輔さんに「グラフィックモンスター」と呼ばれるほどの、社内でもずば抜けたグラフィックデザインスキルを持つとか。広告業界での制作経験は今に活きていますか。
そう言っていただけるのは本当に嬉しいです(笑)。確かに、伝えたいメッセージを的確にビジュアライズするスキルは、広告業界での制作経験が活かされていて、「マネーフォワードらしさ」を形づくるのにとても役立っていると思います。

BXデザイナーは、体験を届ける対象がユーザー、採用候補者、株主、社員など幅広いため、誰にどう感じてもらいたいかを考えながら表現をコントロールするスキルが求められます。楽しい雰囲気や温かみを伝える場面もあれば、信頼性や頼もしさを表現することが求められる場面もあり、それぞれの目的に合わせて、適切なトーンやスタイルで仕上げる必要があります。また、ブランドのビジョンや価値観といった抽象的なイメージを、みんなが理解できる形に落とし込む力も求められるので、こうした表現力が重要なんです。

──事業会社ならではの難しさはどんなところですか。
全社を巻き込んで進めていくことが多いので、事業や戦略をしっかり理解しつつ、各事業部のメンバーと積極的に連携していくことが重要になります。多様な視点を取り入れ、その都度最適な方向へリードしていくことはなかなか難しく、私にとってチャレンジポイントでもあります。

もう1つは、クリエイティブの再現性を高めること。ブランドらしさを全社的に広げるためには、生み出したブランド表現を、各事業部でどのように応用していけるかを検討し、さらに社内メンバーがデザインアセットとして効果的に使えるように運用していく必要があります。一度つくって終わりではなく、組織全体で活用していける仕組みづくりが重要なんです。これは制作会社の時にはなかった視点ですね。

 

──最後に改めて、マネーフォワードで働く魅力を教えてください。
ひとつのブランドにじっくり向き合い、チームメンバーと一緒に育てていくことができるのは、事業会社の大きな魅力だと感じています。

ここ数年で、私たちが築いてきたブランド表現が、全社に広がっていくのを実感しています。どんなに小さな制作物でも、ブランドらしさを形づくる重要な要素であり、それが積み重なることで一貫した世界観がつくられていくんです。そうやって時間をかけて育まれたものが多くの人に届き、喜んでもらえる瞬間が私たちは何よりも嬉しいです。そして、時間をかけて育まれるのはSaaSサービスも同じ。ブランドもサービスも、ユーザーの期待に応えようと成長し続ける点が、この会社の面白さなんじゃないでしょうか。

そして、事業会社では、一つのことに深く関わるため、会社の価値観や感性に共感できるかがとても大切だと感じています。マネーフォワードの温かさや前向きな世界観に共感できることが、私が今でもブランドに向き合い続けられている理由です。

──とにかくお仕事や会社の様子を楽しそうに話す姿が印象的だった、高木さん。「すべての人の豊かな未来」を真剣に考える、高木さんたちCorporate Identity推進室があるからこそ、マネーフォワードの明るいブランドイメージは生み出されているのだとわかりました。本日はありがとうございました。
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